2003年8月2日、鈴鹿8時間耐久レース決勝前夜に、昨年から水谷勝が中心となって開催している、身障者をタンデムしてのサーキット走行を今年も行なった。
「風の会」のサーキット走行は、バックストレート裏に待機し、そこからコースインし、サーキットを1周するという流れである。
水谷が、この企画を考えた発端として、スズキのテストコース(竜洋)での走行会でゲスト参加した際に、見学に来た車椅子の青年を見て、後ろに乗ってみるか?と声をかけたそうだ。その青年は、水谷のタンデムシートに乗って、テストコースを走り、コーナーに入ると、動かない筈の足に力が入り、踏ん張ろうとする感じが伝わってきたそうである。
「バイクを知らない人にもバイクを体験させたい。今までバイクに乗りたくても乗れなかった人が風を感じてくれたら…」過去に私が大きな影響を受けた身障者を乗せて走るという体験から、バイクに乗せることで何か世の中のためになれるんじゃないか、ただ走る事の楽しさだけではなく、レースを通じて大きな夢と感動を共有してもらうことが出来ないであろうか。という水谷の強い想いから、身障者をバイクのリアシートに同乗させたタンデム体験走行が実現した。
身障者の方をタンデムシートに乗せて走行するのは、健常者を乗せるのと違い難しい。そこで、今回は、シートベルトやチャイルドシートで有名なタカタ(株)様にご協力して頂き、専用の固定機具を製作して頂き、使用した。
また、乗降りの介護に、愛西学園 弥富高校サッカ−部の方、南山大学、ボーイスカウトからボランティアを集い、補助して頂いた。
パレード走行するライダーも、水谷の企画に賛同してくださった、現役・OBのプロライダーをはじめとする15台のパレード走行となった。
男性の身障者の方は、比較的余裕の表情を見せていたが、女性の方は、恐る恐るという感じでバイクに跨がった方もいた。
そしてパレード走行が開始し、1周のサーキットランを終えた身障者の方々は、サーキットの風を感じて皆、満足の表情を浮かべていた。
そして、TVや雑誌の取材に、サーキットランを体験した方々は、興奮の趣で目を輝かせ、取材に応じていた。
なお、この時の模様は、新聞や雑誌「タンデムスタイル」等にも紹介されました。
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